プロフィール
長岡 秀貴
長岡 秀貴
NPO法人 侍学園 スクオーラ・今人 理事長。
侍学園(通称サムガク)とは、長野県上田市にある若者の自立を支援している日本一小さな学校。
若年者の自立と就労を支援する民間の教育施設として、生活改善やコミュニケーション能力の醸成等を通して、社会での生き辛さに悩む若者が自分らしく充実した人生を送れるように後押ししている。
http://www.samugaku.com/
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18歳の侍からの手紙

2017年05月12日

 長岡 秀貴 at 11:56 | Comments(0)
席を譲ったんですが
こう見えても40代ですから・・・。
と言われてしまった千代田線。

不肖長岡です。

多分。多分ですよ。
公開してもいい内容だと思ったので
彼の素敵な想いを紹介させていただきます。

なんかお便りコーナーみたいで
ワクワクしてます。

初めまして。
長岡さんのお話を偶然youtubeにあげられていた
TEDの動画で聞いた 現在18歳、大学一年生の男です。


長>はいはい。ナガオカです。
  18歳。若ー。うちのチビとの方が近いね。

  TEDね…。見てくれたのは嬉しいけど恥ずかしい。かなり。
  算数出来ないのバレてるし。



長岡さんが言っていた単位の価値を自分も持っていました。
しかし、周りに同じように話すと
「何を難しい事を言っているんだ。今が楽しければいいし
単位に価値なんかないだろ。寝てればもらえて、出席すればもらえる。
そして卒業して就職できる。それでいいじゃないか」

と似たような事を言われるのが多くなりました。

とても寂しくて、同時に悔しくも思いました。


長>まあね。でもね。
  なかなかキミみたいに思える18歳っていないんじゃないかな。
  でもさ。チャンスだと思わない?ラッキーだと思わない?
  この時点で時間的価値や貨幣価値について
  同世代と「差」が生まれてんじゃんね。
  
  更に。ただ卒業したからって就職できる時代は終わったしね。
  企業側も馬鹿じゃないから
  大学名で採用するなんてチープなこともうやってないよ。
  
  本人が
  どれだけの力をつけていて
  どれだけの「成長ののりしろ」があって
  どれだけ社益に対してのモチベーションがあるか。


  経営者はそこみる。大学じゃ教えてくれないかもしれないけど。
  (教えてくれる先生もいるけどね。小島先生とか)

  キミの今の気持ちを面接で話すだけでも
  「はい。キミ採用」ってなると思うけどね。
  それぐらい企業側も困ってるんだよ。マジで。



私は両親のうち母しか家にいません。
父の事は写真で見た事があるくらいでしかわからないです。
妹も下にいます。母は私をここまで育ててくれて、本当に感謝しています。

一日でも早く恩返しをしたいという思いでいっぱいです。


長>もうさ。これで十分。
  おっさん涙が止まんねえよ。
  
  母は強し。 そして底抜けに優し。

  母上を幸せにして差し上げて。
  それをモチベーションに生きても罰なんか当たらないよ。
  キミが寂しく思った同世代の子たちに欠落してんのは
  間違いなくここだと思うよ。

  人は一人で大きくなれません。
  人は一人で生きていくことはできません。
  人は誰かに支えられて生きていく。
  人は誰かを支えて生きていく。


  そして
  その始まりは
  母親との一本の糸から始まった。

  この原点を忘れてしまったり
  更に蔑ろにした人間の未来はどんより曇ってるはずよ。
  
  




話が少し戻りますが
私が単位の価値や値段を考えるようになったのは奨学金を借りてからです。
年間の授業料が約100万円。
それが四年間続けば約400万となります。

その状態から会社に勤めて返さなければなりません。


長>そうね。
  こういうことが当たり前なんだよね。
  某も仕送りなかったし。
  スゲー貧乏学生だったしね。
  まあ借りたもんは返さないとね。

  でもね奨学金も「借金」じゃんね。
  某は「借金」大好き。

  「借金」て「タイムマシーン」だからね。

  例えばキミがどうしても大学に行きたかったとする。
  でも「お金がない」。

  「どうしても行きたいから
   400万円貯めてから大学に行く!!」

  でもいいと思う。

  400万貯まるまでに何年かかる?
  その何年の間。本当に大学行きたいモチベーション保てる?
  その間に事情が変わったらどうする(死別・病気・事故・結婚等々)?
  明日。死んじゃうかもしれない・・・。

  だったら「タイムマシーン」=「借金」を使うんよ。

  400万貯めるのに5年かかるんだったらさ
  5年後に
  「ピューってタイムスリップ」すりゃいい。

  今したいことを今しなきゃ
  人生なんて終わっちまうよ。すぐに。

  でもね。
  タイムスリップしたんだから
  その分の責任は果たさないとね。
  タイムスリップ分の費用をその期日までにきっちり用意すればいい。
 
  だから
  「ああ。返さなきゃならない・・・。」なんて思っちゃだめよ。
  「おっしゃ! タイムスリップ代払うぜ!」でいい。  

  


そう考えると
一つの講義に対しての熱意も変わって
絶対に負けたくないという思いを持つようになりました。
しかし、正直なところ何から始めればいいのかわからないのです。


長> まあね。よくわかるわ。
   でも勝ち負けで勉強するわけじゃないからさ
   勉学は
   誰かのためにやらない方がいいよ。
   未来の自分の為に
   未来の自分が
   誰かの役に立てるように
   今やるんだ。

   何から始めたらいいかわからない

   じゃなくて

   何からでもやってみれば。

   特に
   キミが今まで絶対にやらなかったことほど
   いいかもね。



時間はあります。

しかし、その限られた財産の時間を
うまく使うには何を始めればいいのかがわからないのです。

できる事を始めろとよく言われます。
でもできる事と言われても何がいいかわからないのです。
熱意なら負ける気はしません。

でも、どうするのが一番なのか。
失敗は怖くありません。

これまで短い人生の中でもたくさん失敗してます。
だからこそ、なんでもできるような気持ちがあるだけに
何から取り掛かるべきなのかが見失いそうになるのです。


長>時間あるね。今考えても猛烈に学生は時間がある。

  人生の中で学生でいられる時間の価値を考えて
  モラトリアムに生きるのもいいかもね。
  それも無駄じゃない。
  でも
  学生の時にやっちまったら
  「スゲー!!」ってこともあるよ。
  
  とにかく「型枠」の内側をいっぱいにすること。
  学生としての本文をしっかりとやって
  学生としてのくだらない遊びもいっぱいするの。
  そんでもって
  枠の内側がいっぱいになったらさ
  その中で上書きなんてしなくていい。
  
  その「型枠」ぶっ壊せばいい。

  それが「型破り」の生き方で
  それが本当の意味での「個性」だと思うんだ。

  「個性」は新しい生き方を提案できる道標になる。
  「個性」は新しい「仕事」を作る。


  生き方そのものが「新しい仕事」になるんだ。

  某は本当に金のない貧乏苦学生だったからさ
  「食べる」ってことにとても価値を持っていた。

  当時の学食は日替わり定食が「250円」
  でも
  某の一か月の食費は「1万円」
  ってことは一食100円しか予算がなかった。
   
  当然学食なんて食べられないんだよ。

  そこで思いついたのよ。
  実家から送られてくる米だけはあった。
  朝。おにぎりを5つ握って
  それをフライパンで焼く。そんて醤油をかける。

  焼きおにぎりの完成。

  売店にも学食のメニューにも
  焼きおにぎりはなかった。

  売店の前のテーブルで
  銀紙に包んだ焼きおにぎりを
  一個50円で売った。
  売店のおにぎりは100円だったから
  簡単に完売したよ。

  250円出来たから 
  それで学食を買って食べてた。

  みんなに笑われてたけどね。
  それも一つの営業スタイルであり
  「需要と供給」を戦略的に考えたビジネスモデルだよね。

  当然。
  某ぐらいしかそんなこと思いつかない。
  頭の可笑しい奴だってみんな思ってたかもしれないよね?

  でも
  20年ぶりに
  母校での講演に呼ばれた際。
  最前列に
  どう考えても学生ではない
  おばちゃんたちが何人か座って聞いてたんだよ。

  講演終わった後。
  おばちゃんたちが控室を訪ねてくれてね。

  当時の学食のおばちゃんたちだった。

  「後にも先にも
  ナガオカ君ぐらいだよ。学食の目の前で商売してたの。」

  なんかうれしくって泣けてきた。
  あれはさ
  あの時必死だったから
  余り価値が分からなかったけど
  今の某には絶対に出来ないことだし
  やったところで
  20年も誰かの心に残っているようなことじゃない。

  今のキミにしかできないことはさ
  誰かに指示されてやることじゃないんだ。
  誰かと勝負してやることでもない。

  未来の自分にさ
  「お前なにやってたんだよ。お陰で今スゲー幸せ。」
  って言われるようにさ。

  頑張りなよ。
  っていうか多分キミなら大丈夫だけどね。

  18のナガオカは
  キミの爪の垢を窒息するぐらい飲ませたい大バカ者だったから。


  なんかおっさんも頑張るわ。
  ありがとうね。
  
  いつか会えたらうれしいね。




  短く更新すると言いながら
  こんなんなりました。

  お付き合いいただきまして
  ほんとうにありがとうございました。


  彼のような18歳がいるんです。
  この国の未来も捨てたもんじゃないですね。








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